こんにちは。
Master Mindトレーナーの栗原です。
今日はキングオブエクササイズと言われている「スクワット」についてその効果や注意点などを私なりに考えて行きたいと思います。
「効果的」という定義ははっきりとさせる
タイトルにも書いたのですが、「効果的な〇〇」という謳い文句全般に言える事です。
ここで重要な事は、
① 何に取って
② 誰に取って
③ どのような効果が得られるのか
という事を明確に定義した方がよいという事です。ここの定義が曖昧になっていたら、あなたの目的とは反した効果を得てしまう可能性もあります。
どこに効かせるか
一般的にウエイトトレーニングを実施する際は、「意識性の原則」と言う物が存在します。これは、どこの筋肉や部位に意識を置いてトレーニングをしているのかによって、筋や関節、神経的な反応の効果が変化する事を表しています。
同じスクワットを行う時でも、大腿部前面or後面(太もも前or後面)に効かせたいのか、臀部(お尻)に効かせたいのか、はたまた内転筋(内股)に効かせたいのかによって意識やフォームが異なってきます。
自分の引き締めたい部位や筋肉をつけて行きたい部位等の目的が明確になっているのであれば、しっかりとターゲットの部位に効いているのか?といった事を感じながらセットをこなしてみるとようでしょう。その点が不明瞭だった方は、その点をクリアにしてから取り組む事をおすすめします。
スクワットの種類とそれぞれの特徴
上記の通り、一言にスクワットと言っても様々な種類があります。
<クォータースクワット>

かなり浅めのスクワットです。膝の角度がおおよそ110〜120°程度で、主に大腿四頭筋(腿前)の筋力発揮により行われ、臀部やハムストリングス(腿裏)の筋活動は微量です。挙上可能重量も一番高いです。
<ハーフスクワット>

ハーフという事で 半分くらいしゃがみます。膝の角度は約90°で、主に大腿四頭筋がメインに効いてきます。クォーターよりやや臀部やハムストリングの動員はされてきます。
<パラレルスクワット>・・・腿周り〜お尻を適度に引き締めます

これが一般的なスクワットとなるでしょう。膝の高さとお尻の高さが同程度となるまでしゃがみます。大腿四頭筋やハムストリング、大臀筋が万遍なく活動するのでまずはこのパラレルスクワットをマスターされると良いです。
<フルスクワット>・・・お尻〜腿裏を引き締めたい方、ヒップラインを綺麗に出したい方向け

Master Mindで推奨しているスクワットがこちらのフルスクワットです。
こちらは膝の高さよりもお尻が下がる程度までしゃがみます。大臀筋やハムストリング、腸腰筋といった筋肉の活動が多くなります。フルスクワットは股関節や足関節などを広く可動させなければ正しく出来ません。故に、しっかりとフルスクワットが出来れば関節へかかるストレスや筋肉のアンバランスなども解消されより適切に様々な動作を行う事が出来る様にもなります。
特に主動で使う大臀筋や腸腰筋などは、歩行動作や各種スポーツを行う上では非常に重要な働きをする筋肉ですので効率よく動作が行える様にトレーニングする事は重要となります。
フルスクワットを嫌う人が多い事実
一般の方からトップアスリートまでトレーニング風景を観察していると、スクワットをやっている方は多いのですが、しっかりとフルスクワットを行っている方は殆ど見受けられません。
なぜか??
理由としては、第一にフォームが難しいから。
トレーナーの指導を受けている(いた)クライアントや選手を見る機会も多いのですが、そのスクワットはおおよそハーフからよくてパラレルが多いです。しかも効いているのは大腿部がメインで股関節や臀部の使い方や意識についての説明も受けていないという人が殆ど。それは指導しているトレーナーがしっかりとフルスクワットをしていない+そもそもフルスクワットの有用性について正しく理解していない事が原因です。
また、理由の第二に膝にかかる負担や腰に掛かる負担が大きくなり怪我をし易くなる。
という物があります。これはやや賛同できる面もありますが、特異な例の場合(器質的、遺伝的要因)です。適切にフルスクワットが出来るのであれば、先に書いた通り各関節可動域を広く使いますし、その過程で万遍なく筋肉をバランスよく使用できます。加えて、扱う重量も他の種類のスクワットに比べて軽くなりますので物理的に身体に掛かる負担は軽減されます。
故にフルスクワットは適切に行えば、非常に効果的であり安全な種目であるという事です。これは一般の方からトップアスリートまで変わりません。
アスリートのスクワット動作について
特にアスリートのスクワット動作ではその競技動作に近い関節角度で行わせるのが良い的な発想、思考のトレーナーが多い様に感じます。特異的な原則という物が存在するので、競技動作に近い形でトレーニングをする事は非常に重要ではありますが、それをスクワットに求めるのはナンセンスです。
近年ファンクショナルトレーニング(機能的トレーニング)や体幹トレーニング等が流行して、しっかりとしたBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)をあまりせず、意図が良くわからないようなバランスボールなどで不安定な状態を作りトレーニングをさせているのを見かけますが選手が可哀想です。そのようなトレーナーに限ってですが、自身でしっかりとウエイトトレーニングをした事がなかったりします。(身体をみれば大体わかりますが)理論だけだったりの頭でっかちトレーナーや若手トレーナーなどに多いのではないでしょうか。ドローイン主体の体幹トレーニングばかりやっていても競技力向上は難しいですしね。。。(これについても後々書きます)
多種多様な状況下で様々な関節角度で瞬時に最大出力を出さねばならない競技動作においては、特に高重量でのフルスクワットを行い、全可動域で高い筋力発揮が出来る能力のベースを作ることが重要であり、その事が結果としてパフォーマンスの向上に貢献できるのだと考えます。その上で、選手個人の弱点を見出し補完していくメニューを組んで行くのがトレーナーやS&Cコーチの役割であると思います。見た目の派手さや特異性に流されるのではなく、しっかりとトレーニングプログラムのカテゴライズをした上でクライアントや選手に実施してもらう事が大切ではないでしょうか。
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